どんなにパパやママが体調管理をしていても、免疫力が弱い子供は頻繁に熱を出します。39℃もあるのに食欲もあって元気なこともあれば、あまり高くないけどぐったりしているなど、受診の目安もわかりにくいですよね。
初めての育児中の方は、子供の些細な体調の変化でも不安を感じるでしょう。そこで今回は、子供が熱を出しても慌てないために!発熱時に注目すべき6つのチェックポイントをお伝えします。
さっきまで元気だったのに、子供を抱っこしてみたらなんだか体が熱い…
1.なぜ子供は頻繁に熱を出すの?
発熱の主な原因は、ウイルスや細菌感染によるものがほとんどです。これは大人も同じです。しかし、免疫力や抵抗力がまだ弱く、鼻や喉の粘膜も発達しきれていない子供はウイルスや細菌の侵入を防ぐことができず、大人よりも頻繁に熱を出すのです。熱が出ているということは、まさに体がウイルスなどと戦っている証拠。体温を上げてやっつけようという戦法なのですね。そのため、まず「発熱=悪状況ではない」ということを頭に入れておきましょう。食事や水分、睡眠がしっかり取れていれば急を要する事態であることは少ないです。しかし、水分が取れない、高熱が続いている、痙攣を起こしたなどの場合は受診を検討したほうが良いでしょう。以下にチェックポイントをまとめましたので、参考にしてくださいね。
2.緊急受診すべき?一般受診で良い?熱がある時に慌てず注目すべきポイント
2-1.体温より本人が元気かどうかに注目
上述したように、発熱は体がウイルスなどと戦っている証拠です。本人に元気があり機嫌も悪くなく、水分もしっかり取れている場合は、自宅で様子をみましょう。しかし、ぐったりしている、眠り続けている、立ったり歩いたりができないなど、あきらかな異変を感じる場合は注意が必要です。
2-2.顔色や表情もよく観察しましょう
顔色が青白い、目の焦点が合わない、あやしても笑わないといった異変があるときも注意が必要です。普段お世話をしているパパやママの「何かがいつもと違う」というカンは、当たることが多いそうです。違和感を感じたら、受診を検討しましょう。
2-3.生後3ヶ月までの赤ちゃんは38℃が受診目安
いくら発熱は体が戦っているので慌てなくても大丈夫、とはいえ生まれたばかりの赤ちゃんとなると話は別です。一般的に3ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合は受診をしたほうが良いと言われています。赤ちゃんはもともと体温が高く、37.5℃までの熱は心配しなくても大丈夫です。また、体温機能が未発達なため、部屋の温めすぎや洋服の着せすぎなどでも体温が上がってしまうことがあります。温めすぎに注意しましょう。
2-4.高熱が出ている時はけいれんに注意
熱性けいれんとは、高熱が出ている時に熱がもとでけいれんを起こす現象のことです。6歳までの乳幼児期には珍しい現象ではなく、約10人に1人は発症すると言われています。子供がけいれんしている様子を見ると、パニックになるパパママがほとんどです。しかし、5分ほどで落ち着くようでしたら脳に影響を及ぼすことはないと言われています。多くのパパママがしてしまうと思いますが、体を揺するのはNG!けいれんの様子を動画で撮ると受診時に役立つそうです。ですが5分以上けいれんし続ける場合は異常事態ですので、至急病院へ向かいましょう。
2-5.発熱は病気だけでなく、熱中症の可能性も
突然高熱が出た場合は、熱中症も視野に入れて様子を観察しましょう。夏場はもちろん、冬場も室内の温度や洋服の着せすぎで熱中症になることがあります。子供は汗腺や体温調節機能が未発達なため、大人よりも熱中症になりやすいです。40℃以上の高熱や顔や体が真っ赤で乾いている場合、熱は高いのに汗をかいていない場合などは重度の熱中症の可能性もあります。至急病院へ向かいましょう。
2-6.解熱剤の使い方に注意
何度も重複しますが、発熱は体が戦闘中の証拠です。ウイルスなどは高温に弱いため、体温を上げてウイルスと戦っています。そのため解熱剤で無理に熱を下げてしまうとウイルスと戦うことができず、かえって治りが遅くなることも。子供の機嫌が悪くなく睡眠がとれているようであれば、解熱剤も使う必要はありません。しかし、ウイルスと戦うためには十分な休息が必要。熱で機嫌が悪くぐずりがひどい、うなされて眠れない場合などは解熱剤を使い落ち着かせ、十分な睡眠をとり休息させてあげましょう。
3.熱が出ているかどうかを判断するためにも、子供の平常時の様子や平熱を把握しておくことが大事
37.5℃までは心配する必要はないと言われていますが、普段との違いを把握するためには平熱を把握しておくことが大切です。また、測る時間帯によって体温が異なりますので、じっとしていない子供の熱を測るのは大変ですが、普段から朝、お昼、夕方、夜の4回測っておくと安心です。起床後の朝が一番低く、食後や活動したあとの夕方~夜は高くなることが一般的です。こういったことも頭に入れておくと、いざというときに慌てないですみますね。
【まとめ】
4.今回のまとめ
・発熱はウイルスや細菌と戦っている証拠であり、人間本来もっている力
・すぐに解熱剤で熱を下げようとせず、機嫌が悪くなければ休息させ自宅で様子をみましょう
・ぐったりしている、顔色が悪いなど「なんかいつもと違う」と違和感を感じたら病院を受診しましょう
・生後3ヶ月までの赤ちゃんは、発熱したら基本すぐに病院を受診!
・熱性けいれんは落ち着いて対処を。5分以上は至急病院へ!
・高熱は熱中症の可能性も視野に入れましょう
・発熱で慌てないためには平熱を把握することが大切
・子供はしっかり体調管理をしていても、発熱するのは珍しいことではない