保育士のOです。今回幼児教育の専門家のN先生から手指の役割について学びました。
1.ホムンクルス
〈図1〉
脳はその部位ごとに役割の分担があり、図1・図2のようになっています。特に、われわれに身近な機能である感覚機能や運動機能では、脳のどの部位が体のどこに対応するかが良くわかっており、感覚機能でいえば、上図の横線赤の【体性感覚野】で右脳を縦切りにした断面を示すと図3のようになり、運動機能でいえば、脳の外観の図で、点印の【運動野】で左脳を縦切りにした断面を示すと図4のようになります。
〈図3〉
〈図4〉
感覚系でも、運動系でも顔や指、次いで手など細かな感覚や動きを担当する場所が脳のなかでも大きな部分を占めているのがわかります。そこで、下の図5のように人間の体の担当する部位を脳の上に記すと、あたかも人体のように並ぶため、この人間の図はホムンクルスと呼ばれています。顔と手指が大きいのが印象的ですね。
〈図5〉
2.手の運動の大切さ
次に、子どもにとって手の運動、体性感覚が大切だということについて教えていただきました。
脳は0〜2.3歳頃まで、画像などで見るような綺麗な形ではなく密接になっていると言われています。人間の発達は後ろから前の方へと成長していくという過程があり、後頭葉→側頭葉→頭頂葉→前頭葉の順に発達することが分かっています。前頭葉の中でも、人が人として生きる上で最も重要な脳機能となる前頭前野の発達は重要となります。
脳が密接になっている2.3歳頃までは運動野を働かせることで前頭前野も一緒に活性化すると言われています。しかし、3歳頃を過ぎると(個人差があります)前頭前野はそれ自身で働かせていく必要があると言われています。特に幼児期のお子様の運動野を働かせる為に、手指を使うことは重要となります。何故ならば、一次運動野は3分の1、一次体性感覚野は4分の1、を手指が担っているからです。
3.まとめ
今回、お話を聞いて手指を動かすことの重要さを改めて知ることが出来ました。これからも紐通しや粘土遊びなど、指の使い方、手首の使い方、手のひらや指の感覚などに意識を持ちながら、様々な遊びを取り入れていきます。