子供がヘルペスと診断されたときに、気を付けたいポイントとは?
ヘルペスというと大人がなるもの、というイメージがありませんか?
実はとてもポピュラーな病気で、子供でもヘルペスになることは十分にありえます。
感染していても潜伏しているだけで発症していない場合は、なじみがないという方もいらっしゃるかもしれません。
なぜできるの?なりやすい条件はあるの?うつる病気?
今回は、ヘルペスを知らない人にもわかりやすく、「子供がなりやすいヘルペスと、ヘルペスと診断されたときに気を付けたいポイント」をご紹介します。
1.ヘルペスってどんな病気?
口唇ヘルペスや帯状疱疹というと、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ヘルペスとは、ウイルス性の皮膚炎のことです。ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜などに感染すると、痛みやかゆみをともなう水ぶくれができます。実はとてもポピュラーな病気で、かゆみや痛みが強くないと発症に気が付かないこともあるそうですが、多くの人が大人になるまでに1度は感染していると言われています。また、感染しても発症せず、神経にウイルスが隠れたままになることも多く、体調不良や不摂生、ストレスなど何らかの原因で免疫力が落ちた時に感染から時間差で発症することも少なくありません。大人がなるイメージがあるのは、加齢により免疫力が落ちたタイミングで発症する人が多いためでしょう。
2.子供が感染しやすいヘルペスウイルスとは?
ヘルペスとひとことに言っても、実はヘルペスウイルス自体は何種類かに分けられています。子供が感染しやすいヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスなどの原因となる単純ヘルペスウイルスと、帯状疱疹や水疱瘡の原因となる帯状疱疹ウイルスの2種類です。
2-1.単純ヘルペスウイルス
子供が単純ヘルペスウイルスに感染すると「ヘルペス性歯肉口内炎」を発症することが多く、発熱や口内炎を起こします。痛みを伴いますので、飲食が困難になります。
単純ヘルペスウイルスは非常に感染力が強いことが特徴で、飛沫感染はもちろんのこと、同じタオルを使ったりコップの回し飲みでも感染します。パパやママも発症していないだけで感染している可能性がありますし、一般的に生活をしていれば周囲の人から感染する可能性も考えられるでしょう。
2-2.帯状疱疹ウイルス
子供が初めて帯状疱疹ウイルスに感染すると、「水疱瘡」を発症することが一般的です。発熱し発疹や強いかゆみを伴う水疱が体中にできることで有名ですよね。子供の頃にかかったことがあるという方も多いと思います。水疱瘡って帯状疱疹と同じウイルスなの!?と驚かれるかもしれません。水疱瘡は症状が治まってもウイルスが神経に潜伏することがあります。すると、体調が悪いときや免疫力が落ちた時に帯状疱疹としてまた発症するのです。
水疱瘡も感染力が非常に強いことが特徴で、かつ潜伏期間が2週間と長いことも特徴です。症状が出始める1~2日前が最も感染力が強まると言われています。そのため、一緒に遊んだお友達が水疱瘡を発症したら2週間は様子を見て、体調が悪そうな時は外出を控えるなどして周りへの感染を防ぎましょう。
3.子供がヘルペスと診断されたときに気を付けたいポイント
3-1.二次感染に注意
前述したように、ヘルペスウイルスは感染力が強いことが特徴です。パパやママ、他のきょうだいやお友達への二次感染に注意しましょう。ヘルペス性歯肉口内炎を発症している場合、唾液にウイルスが含まれているため、指しゃぶりをしている指に触らないこと、触れたタオルを使わないことも重要です。触れた際にはしっかりと手洗いをしましょう。
3-2.脱水症状に注意
口内に水疱ができると、痛みや違和感から飲食が困難になります。食事がとれない場合でも、少量ずつでも水分はとるようにし、脱水症状を防ぎましょう。子供が好きだからと、ついジュースを与えがちですが、ジュース類は刺激になることがあるため白湯などの低刺激な水分がおすすめです。アイスクリームなどを少しずつ与えるのも良いかもしれません。
3-3.重症化に注意
ヘルペスウイルスは、稀に重症化することがあります。高熱が続き、けいれんや意識障害、さらに重症化すると脳炎を引き起こすことも。ヘルペスウイルスのなかでも、水疱瘡はワクチンで予防をすることができます。ワクチンをしていると、仮に感染したとしても重症化を防ぐことができます。
3-4.再発を予防しよう
ヘルペスは感染した後、免疫力が落ちることで活性化し症状を発症します。症状が治まったとしても、ウイルスは神経に潜伏しており、発症するタイミングを待っているようなものです。早寝早起きで生活リズムを整え良質な睡眠をとる、バランスの良い食事を心がけるなど、日々免疫力を落とさない生活をすることで再発を防止できます。
4.今回のまとめ
・ヘルペスは多くの人が感染しており、子供が感染することも珍しくない
・ヘルペスは感染後、免疫力が落ちることで発症する
・感染力が非常に強いため、二次感染に注意
・稀に重症化することもあるため、経過観察は重要
・水疱瘡はワクチンで予防することも大切
・規則正しい生活が再発防止に最重要